ホームオーナー編プロベートセールとリビングトラスト

皆様、こんにちは。DEAI TEAMのTomokoです。
今日はホームオーナーさん編、プロベートセールとリビングトラストについてご説明したいと思います。

【プロベートセールとリビングトラストとは？】
家のオーナーが亡くなって、相続人が売却する場合のプロセスを「プロベートセール」と言います。

プロベートとは、死亡した人の遺言書の中で、指定された相続人に財産を分配する手続きで、家庭裁判所の監督下で行われます。遺言書がない場合でもプロベートの手続きは必要ですが、死亡した人の名義の財産が10万ドル以下の場合は必要ありません。

また、夫婦で共同所有していた物件などは、片方が亡くなってもまだ生存する所有者がいますので、プロベートセールにはなりません。

プロベート自体は、相続財産すべての洗い出しや価値の計算などの申請手続きに、簡単なケースでも数か月かかってしまいます。

また、弁護士費用や裁判所の査定料などの経費も総財産の数パーセントと、大きな金額が必要となります。

プロベートセールの手順ですが、まず弁護士を通じて家庭裁判所に申請し、その際に多くの場合は IAEA (the Independent Administration of Estates Act ) という条例の適用を受けられるよう申し込みます。

これが認められると、任命された代表者は「裁判所承認 ( court confirmation)」なしに、名義人と同等の権限を持って物件を売却することができます。この場合は、通常と同じタイムフレームで売却・契約を進めることができます。

なお、「裁判所承認」が必要となるプロベートセールの場合は、通常よりも2か月ほどプロセスに時間がかかるようです。

プロベートセールと通常の売却との大きな違いは、その家を保有していなかった人が売主となることです。

そのため、過去に起こった雨漏りや修繕など、家のコンディションについてはわからないことが多く、これらの情報はディスクロージャー義務の対象外となります。

また、オーナーが亡くなった場所がその家であるかどうか、またどういった死因だったかについては、売主側のエージェントに伝えておく必要があります。

物件の敷地内で過去3年以内に人が亡くなった場合、不動産取引契約上のディスクロージャー義務があります。こういった情報は買主の購入意思決定に少なからず影響を与えますので、事前に開示されることをおすすめします。

【リビングトラストとは?】
時間と費用のかかるプロベートの手続きを回避して遺産を相続するには、リビングトラストを設定しておく必要があります。

リビングトラストとは、自分の財産をどうするかを指示した法的執行力のある文書のことで、自分が死亡した際にはその内容に従って家庭裁判所を介さず、相続手続きを進めることができます。

自分が病気や事故などで自分の財産を管理できなくなった際には、財産の管理をする人を任命することができ、どのように財産管理をしてほしいかという詳細な指示を作っておくことができます。

リビングトラストの設定は内容次第ですが、弁護士費用として2千～3千ドルほどかかりますが、プロベートに比べて大幅に費用を軽減することができます。

また、持ち主が亡くなってすぐに相続の手続きを済ませることが可能となり、同時に家族が財産について心配したり争ったりすることを避けられる、という大きなメリットがあります。

リビングトラストを含めた遺産相続全体の計画をエステートプランと呼びますが、不動産を保有する方はできるだけ早いタイミングで専門家に相談し、エステートプランを立てておくことが大切です。

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